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ハリツヤ肌に欠かせない「プロテオグリカン」

肌に塗っても、食品としてとっても肌がぶるぷるになるという、美容に関心の高い人の間で注目を集め始めている「プロテオグリカン」。その「効くメカニズム」が少しずつ分かってきた。

 

化粧品、サプリメントなどに含まれる美肌成分として、「コラーゲン、ヒアルロン酸の次に来るのはコレ! 」と、脚光を浴び始めたプロテオブリカン。

 

プロテオグリカンとは、糖とたんばく質が結合した「糖たんばく」の一種で、肌や軟骨などを構造する成分。人間を含む動物や魚の体内に多く含まれている。

食品では、北海道、東北地方の郷土料理で、サケの頭の軟骨部分を甘酢漬けにした「氷頭なます」がプロテオグリカンを豊富に含むものの代表例として挙げられる。

 

そんな背景もあってか、昔から水頭なますを食べてきた青森県では、早くからプロテオグリカンに注目。

弘前大学を中心に産官学共同で研究が進められてきた。もともと専門家の間では「プロテオグリカンは、肌や軟骨などの細胞が代謝する過程で、重要な働きをしているのではないか」と考えられていた。

ただ、肌に塗ったり、食事でとったりした場合、体内にどう吸収され、どの部分がどのように働くのかは分かっていなかった。

 

プロテオグリカンの機能性研究を行う、一丸ファルコス開発部長さんは、「東北女子大学との共同研究で、プロテオグリカンの分子が腸管の細胞に取り込まれて体内に入ることが確認された。また、臨床試験などから、経口や塗布で、美肌や関節痛の緩和といった健康効果が期待できることが分かってきたという。

最初に注目されたのは、美容液など「肌に塗る」化粧品素材として。「保湿力がすごい」「しっとりぷるぷるになる」と話題になった。

 

実際、ヒアルロン酸と同等の保湿力があるという研究データもある。これは、プロテオグリカン独特の構造に秘密があるらしい。プロテオグリカンは植物に例えれば幹にあたるコアたんばく質に、糖が鎖状につながった根葉(GAG鎖) がたくさんついた構造をしている。このG A G 鎖がスポンジのように働き、たっぷりと水分をため込む。そのため、肌の潤いが保たれ、ハリや弾力が維持されると考えられている。

 

さらに、「プロテオグリカン」には表皮細胞の代謝を促進する因子『EG F』に似た働きがあるのではないかと、推察している」と坪井さんは話す。これまでに、培養したヒトの肌細胞に「プロテオグリカン」を加えることで、細胞の増殖や、ヒアルロン酸の合成量が増えるなど、体内のEG Fと同様の作用が見られたという研究もある。

 

「プロテオグリカン」の「幹」であるコアたんばく質の根っこにあたる部分がEGFの働きをする「鍵」になっていて、これが肌細胞にあるEGFの鍵穴にうまく作用しているのではないか」と考えられている。

また、シワが悪化しやすい冬季に行われたヒト試験では、プロテオグリカンを塗布することで肌の保湿力が高まり、目尻のシワが減った。「これらのデータから、プロテオグリカンは肌の「代謝スイッチ」 をオンにするような役目、つまり肌代謝の司令塔のような役割を担うのではないかと期待されている。