雑記

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わかめは髪の毛に効くのか?

ワカメは海藻の中でもコンプとともに、女王様扱いされています。その理由として、ワカメは美容や健康、長寿に効果があり、食べつづけると若々しくなり、髪が黒くなると信じられ続けてきたからでしょう。

 

では、ワカメには本当にそのような成分が含まれているのでしょうか。

その答えはイエスでもありノーでもあります。

 

まず、ワカメを食べると若々しくなるかということについては、カルシウムや食物繊維が多い点で、確かに若々しさを保つのにはよい食品といえるでしょう。カルシウムはイライラした気分を落ち着かせるし、食物繊維は便通をよくして、これも不快な気分を解消してくれます。

食物繊維が多いワカメ

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イライラしたり不快な気分になっていると、皮膚の弾力が低下し、年齢よりも老けて見えるようになってくるので、このような状態を除くだけでも若々しくなるというものでしょう。

 

ワカメの食物繊維は、アルギン酸という、水になじみやすく保水性の強い成分です。この水分を保つ力は、腸内で乳酸菌の繁殖によい条件を提供し、腸の状態を良好にしてくれます。

 

乳酸菌が繁殖すると、発ガン性物質の毒性を消すとともに、発ガン性物質をつくる犯人である腐敗菌の勢力を抑えるという力も発揮してくれます。つまり、ワカメのアルギン酸は、間接的ですが、ガン予防に役立つということです。

 

ただしワカメが、髪の濃さを保つということについては、根拠がありません。海藻が黒いので、そこからイメージされたものと思われます。ところで、ワカメが体にいいということについては、カルシウムや食物繊維以外に、ワカメに豊富に含まれているヨードの存在も見逃せません。

 

というのも、現代の日本人には、過去には天然塩から摂取できたヨードが、不足する危険があるからです。なぜなら、最近の食塩は精製されすぎており、また一部はイオン交換樹脂と電気を使用する化学製塩でつくるものが多いため、塩からヨードを摂取することは困難になっています。

さらに、ヨードを豊富に含んでいる魚や海藻の摂取が少なくなったために、今までの日本では考えられなかったヨード不足の可能性があるのです。

 

ヨード不足は、甲状腺の働きに大きな影響があるので、ワカメのような食べやすい海藻をとることは、健康の上で欠かせません。

 

ところで、現在のワカメは、昔のワカメより栄養的に大きく改良されている。それは、加工法が異なります。過去の方法では、採取したワカメを浜辺で日光に当てて乾燥させました。

採れたてのワカメには、ビタミンA のもとであるカロチンが多く含まれていますが、日光の紫外線により、大半が変化し、ビタミンA の効力は期待できなくなります。ところが、採取してすぐに湯通しして、塩漬けし、低温保存すると、カロチンは変化しないで残ります。つまり、ビタミンA の効力が期待できるということです。

 

ワカメのように、加工方法が変化したことが栄養的にプラスになっている場合もあり、食品加工の近代化がすべて悪いものではないといえるでしょう。