雑記

興味のあることだけ書き留める

ガンにも大きく影響する免疫学について

現代は間違った医療を押し進めた結果、行き詰まりに差しかかっているように感じられます。そろそろ、正しい医療を学ぶべき時期ではないでしょうか。医療を正しく検証できるのも、病気の成り立ちに対する正しい理解があってこそ。そして、その病気の成り立ちを遺伝子の異常と認識し、突き進んでいるのが、現在の最先端医療です。

この春、ハリウッド女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが「ガン発症のリスクを最・小限にへらすため、両乳腺の切除手術を受けた」と公表し、大きな話題になりました。それは、遺伝子検査でガン抑制遺伝子のひとつに異変が見つかり、将来乳ガンになるリスクが87% 、卵巣ガンになるリスクが50% と診断されたことによる決断です。

 

手術後、乳ガンのリスクは5 % にへり、今後は卵巣の摘出手術も受ける予定だそうです。

確かに、ガンの成り立ちを単に遺伝子の失敗と考えるなら、ジョリーさんの選択は、究極のガン予防法といえるでしょう。

 

しかし、そもそもジョリーさんが遺伝子検査を受けるに至ったのは、母親を卵巣ガンで亡くしたためとのこと。だとすれば、ガンに関連する遺伝子だけを調べても、あまり意味がありません。

 

なぜなら、発ガンを左右する問題は、ガン遺伝子の有無ではなくて、ガンの母体となる体の内部環境にあるからです。つまり、ガン細胞にも発育にふさわしい環境があって、その条件として不可欠なのが低体温と低酸素。そして、低体温・低酸素の体内環境を作るのが、無理しすぎの過酷な生き方で、過酷な生き方には持って生まれた性格、すなわち親から受け継いだ性格遺伝子が影響する

ここまで掘り下げて、はじめてガンが遺伝しやすいほんとうの謎が解けるのです。その際、能力が高くてがんばる性格の人は、おのずと自分を極限まで追い込み、困難を成就するような生き方となり、発ガンを許しやすいといえます。トップ女優であるとともに、実子に養子を含む6人の子供の母親であり、人権活動家としても知られるジョリーさんも、おそらくは人並み外れた、がんばりやさんなのでしょう。

 

しかし、がんばりすぎるからこそ、過酷にならないように常に意識し、行動を自制すれば、それが発ガンの予防に結びつきます。遺伝子検査によるリスクが高いからといって、決しておびえる必要はないのです。そこを勘違いして、わざわざ正常な組織を切除するという、無謀な措置に走ったのがジョリーさんとその医師団です。人間を機械に見立てた現在の医学思想の中では、こうした間違いが起こつてくるのもしかたがありません。間違いから学ぶという意味で、世界レベルで問題掟起をすることになったジョリーさんの出呂は、たいへん有意義だったと思います。

ちなみに、ジョリーさんは乳腺を摘出したのち、乳房の再建手術を受けています。先日、厚生労働省は世界に先駆け、iPS細胞の臨床研究を承認しましたが、ガン予防手術の流れが拡大すれば、おそらく将来的には、切除した組織をiPS細胞に置き換えればよい、といった考え方も出てくるでしょう。

 

ところが、そのiPS細胞も、本来の目的は脳神経や心筋など、体がふやせない細胞を作って置き換えることにあったはずです。しかし、実際にiPS細胞が作っているのは、皮膚や血球など、体の中でも常に置き換えられている細胞ばかり。体でふえる細胞も、骨髄など、その大本となる、幹細胞のレベルにダメージが進めば病気になりますが、組織破壊の病気を引き起こすのも、分裂できない脳神経や心筋にダメージを与えるのも、実は細胞がガン化するときと同様、過酷な生き方で内部環境が変わったときです。

すなわち、すべての病気の成り立ちに、人間の生き様がかかわっています。私はその普遍的な事実に気づいたからこそ、「病気は生き方を変えて治そう」「体が置き換えられない細胞は一生大事に使っていこう」と声を上げてきました。しかし、巨大な医療産業を背後に抱える医学界に、その声は届きません。

 

それどころか、もともと間違った医療に、最先端の医療と称する間違った医療が次々に加わり、評価も決まらないまま生き続けている。そして、医学がこうして間違いを重ねている原因は、免疫学、生化学、遺伝学、生物学などの学問が、ひとつ完成したシステムとして理解されているためです。それらの完成したシステムとの違いに、病気の成り立ちを求めようとするから、遺伝子の異常から先に進めずにいるのです。しかし、実際の人間は過酷な生き方で負荷がかかったときに、免疫学的にも生化学的にも遺伝学的にも、正常なシステムを維持できなくなって、破綻していきます。

 

例えば、細胞が正常な生化学反応を進められなくなるのも、過酷な生き方が続いて必要な体温を保持できなくなったとき。その際、同時に遺伝子の発現や機能にも異常がくるため、一見、遺伝子の異常で病気が起こつたように見えます。しかし、その遺伝子の異常を引き起こした原因は、人間の能力を超えた生き様にあります。そこを、ぜひ理解してほしいと思います。