雑記

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働き盛り(ストレス世代)の便秘対策

大腸の一部が強く収縮して痙攣を起こし、便の通過が妨げられる便秘を「痙攣性便秘」と言います。結腸性便秘など普通の便秘がほとんど腹痛を起こすことがないのに対し、必ずと言っていいほど腹痛を伴うのが特徴です。痙攣製便秘の場合、便はころころとうさぎのような便でバナナ状の便とはほど遠いものになります。

腹痛の多くは左下腹部に起こりますが、上腹部や右下腹部に起こることもあります。しかも、その痛みはよく移動し、腸の流れに沿って起こるのが普通です。

 

痛みが始まるのは、食事の直後が多いのですが、これは、胃・大腸反射(胃に飲食物が入ると反射的に大腸が運動を始める) によるものです。

大腸の嬬動が起こって、便が移動しますから、腹痛とともに便意を催します。トイレに行っても思うように排便はなく、ウサギの糞のようなかたいボロポロした便が少量排泄されるにすぎません。

鉛筆のような細い便が少量出ることもあります。便に粘液のついているのが特徴で、これが診断の一つの目安になります。

排便をしたりガスが出ると、痛みはおさまってきます。しかし、排便をしたあとも、便が出きらない感じが残るため、何回もトイレ通いをすることになります。

会社や学校などの場合、このトイレが苦痛でストレスに拍車をかけてしまうケースも多くあります。

午後の仕事で苦手な作業があったり、苦手な人とコミュニケーションをとらなければいけない、クライアントが苦痛…などさまざまなストレスをかかている場合が多いのも特徴です。

1 日の排便回数が多いので、便秘ではないように思われますが、便が出にくい、量が少ないことから、便秘であることには違いありません。また、おなかにガスのたまることが多く、おなかが張ったり、腹嶋がしたりしますし、ガスのために腹痛を起こすことがあります。

そのほか、げっぷ、胸やけ、胃もたれなどの症状もしばしば伴います。胃腸とは直接関係のない症状、たとえば疲れやすい、だるい、肩こり、不眠、しびれ感、動惇、頭痛、頭重、めまいなどもよく見られます。こうした痙攣性便秘の症状がつづいたかと思うと、こんどは一転して、腹痛とともに下痢が起こります。それがおさまると、また便秘が始まるというタイプもあります。

下痢の場合は、ほとんど決まった時間や決まった行動のあと(たとえば食後など)に強い痛みとともに排便があります。

この強い腹痛がストレスになって悪いスパイラルが起きるケースも多々あります。

 

痙攣性便秘は、検査をしても器質的な異常が見つかりません。腸の働きの異常によって起こる病気だからです。

 

痙攣性便秘は、専門的には「過敏性大腸症候群」(最近は小腸も原因になることがわかったため、正式には過敏性腸症候群と呼ぶ) あるいは単に「過敏性大腸」と呼ばれます。

症候群の名のとおり、いろいろなタイプがあって、その中の便秘型のものを特に痙攣性便秘と言っているのです。タイプ分けの仕方にもいろいろありますが、次のように分類し、それぞれ患者の割合をはじき出しています。

  • 下痢型
  • 便秘型
  • 下痢便秘交代型
  • 粘液排泄型

下痢型は、神経性下痢とか慢性下痢症とも言われ、慢性的に下痢や軟便がつづいたり、精神的ストレスがあったときに、急に下痢が始まります。いつなんどき下痢が始まるかわかりませんから、この人たちの中には通勤途中の駅のトイレの場所を全部知っている人も多いようで過敏性大腸症候群の年齢別患者数はほとんどが働き盛りの男性に多いのが特徴です。

軟便が慢性的につづく人たちは、ほとんど腹痛を起こすことがありませんが、急に下痢をしたり便秘と下痢を繰り返す人の中には、下痢が始まるときに一時的に腹痛が伴うこともあります。しかし、下痢がつづいているにもかかわらず、やせてきたり、やつれたりすることがありません。本人にとって、いつ下痢が起こるかわからないことだけが悩みのたねで、ほかに身体的な苦痛がほとんどないのが特徴です。

粘液排泄型というのは、文字どおり粘液を多量に排泄しますが、その際、強い腹痛を伴います。過敏性大腸は10~30代の若い人たちに多いのが大きな特徴です。

 

では、痙攣性便秘は、どうして起こるのでしょうか。たいていの場合、もともと自律神経の働きが不安定な素因を持っているところへなんらかのストレスが加わり、それが引きがねとなって起こると考えられます。細菌感染やアレルギー性腸炎抗生物質服用による腸内細菌の異常、下剤(便秘薬) の乱用、過労、睡眠不足などもすべてストレスですが、特に大きな原因となるのは、やはり精神的なストレスです。

このことは、過敏性大腸症候群のすべてにあてはまります。自律神経の不安定な人が、仮に仕事がうまく進まなかったり、嫁姑のトラブルが生じたりして精神的ストレスを受けたとします。すると、自律神経はバランスをくずして、副交感神経の働きが強まるために、大腸の働きが異常に克進して痙攣が起こり、便の通過が妨げられます。これが痙攣性便秘です。大腸の蠕動が異常に高まり便の通過が早くなれば水分の吸収が間に合わずに下痢になります。神経性下痢と呼ばれるのがこれで、大腸から粘液の分泌が異常に高まったものが粘液排泄型です。

強い下剤を用いたときに下痢が起こるのもこれと同じ原理であり、薬の作用で大腸の嬬動が異常に高まっているのです。

便秘薬を使って、いつも下痢をさせて排便しているのは、人工的に過敏性大腸を作っているのと同じことです。やがては本物の過敏性大腸になりかねませんので、気をつけなければなりません。

痙攣性便秘は、治療にとりかかる前に、まず、注腸Ⅹ線検査(バリウムを注入してレントゲン撮影を行う) や内視鏡検査、糞便検査を行って、器質的な病気がないことを確かめておきます。便秘をしたり、下痢をしたり、両方を繰り返す病気には、ほかに大腸ガン、大腸ポリープ、大腸憩室、潰瘍性大腸炎クローン病など、危険な病気もあるからです。

 

この病気は、陽に刺激を与えると、どうしても痙攣が起きたり、腸の運動が高まったりしがちです。

冷たい飲食物は避けてあたたかいものをとるようにしましょう。外から冷やさないこともたいせつで、ぐあいの悪いときは、カイロなどであたためるのも効果的です。

 

アルコール飲料は、ストレスをとるのにはいいのですが、冷やしたり、量を過ごしたりするとかえって逆効果になります。

爛をした日本酒、洋酒や焼酎のお揚割りを適量飲むようにしましょう。また、飲みすぎとともに、食べすぎもしないように気をつけてください。しかし、食べてはいけない食品は特にありません。栄養バランスのとれた、偏りのない食事をすれば、何を食べてもかまいません。ただ一つ問題なのは、食物繊維です。これまで繊維は、腸を刺激するので痙攣性便秘にはよくないとされてきました。しかし、最近の研究によると、むしろ有効であると言われるようになっています。

繊維を与えると便通がよくなり、腸の内圧も下がって、ケイレン性便秘の症状も改善されたという報告もあります。また、下痢型の人に繊維を多く与えると水分を吸収して便が固まります。これが患者に精神的な好影響を与え、治療成績が上がったという研究も報告されています。

便秘対策によく使われる食物繊維たっぷりのイサゴールなどが下痢にも効果があるケースがたくさんあります。

ただし、痙攣性便秘には便秘薬を使用してはなりません。下痢を起こすだけでなく、おなかが痛くなることもあるからです。使える薬は腸の緊張をしずめる薬や精神安定剤などですが、いずれも必ず、医師の指示で用いなくてはなりません。

 

生活の中でリラックスできる時間をしっかり確保することが大切です。会社や学校はある程度のルールの中で動きますからストレスがかかるのは当然ですし、お客様によってはこちらの常識が通用しないケースも多々あります。

そういった環境におかれても負けない体づくりをすることはとても大切です。

週末は、ゆっくり休んだり、気分転換に運動をしたりリラックスする時間をもうけることが重要です。

 

日頃の生活での注意点としては

  • 規則正しい生活を送り起床時間を毎日同じ時間にする
  • 睡眠をしっかりとる(睡眠時間をとれない生活習慣の人のための疲れている時の眠り方)などはとても参考になります。
  • 朝食後に必ず排便習慣をつける
  • 休日はしっかりリラックス
  • 趣味をもち仕事以外に夢中になれるものをさがす
  • 気楽に話せる友人との時間を大切にする
  • できるだけ歩く
  • 入浴する
  • 食物繊維を意識してとる